オリジナル創作の小ネタ置き場
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エンシロ
がたんごとん。
デートの帰り、陽が沈みきった街並みをいく人も疎らになった車内でエンは小さく息を吐いた。
高校一年生のクリスマスに漸く両思いになれた彼女は今は隣に座りうつらうつらとしている。腿の上に置かれた左手にはパールピンクの携帯が握られ、それに繋がる小さな星が連なるストラップ。今日のデートで"お揃い"として購入した物だった。勿論自分の携帯にも色違いのソレが付けられていて、少しだけ口元が弛む。
がたんごとん。
待ち合わせをして、少しだけ離れた駅まで足を向け、(事前に必死で情報を集めた)雰囲気の良いお店で昼食を取って。街を歩き目についた店を覗くような穏やかなデートだったが、夕暮れと共に冷えた空気に触れ合った指先は自然と互いの手を取り合った。
隣り合って座る二人の間で繋がる自分の左手と彼女の右手の温かさがじんわりと伝わる幸せのようであった。
がたんごとん。
こてん。
肩に感じる僅かな重み。
そろそろ次の停車駅だとアナウンスが入り減速した電車の動きに合わせて、シロの小さな頭がエンの肩に乗っている。横目で見ると思っていた以上に近い位置にあって声にならない叫びを上げつつ顔が熱くなったが、シロは深く寝入っているのか静かに寝息を立てていた。
ホームに電車が滑り込み開いたドアから外気と共に人が出入りしている。
降車駅まであと5つ。
「(このままずっと乗っていたいなぁ)」
向かいの硝子に映るシロの姿を見詰めながら、エンは左手に少しだけ力を込めた。
デートの帰り、陽が沈みきった街並みをいく人も疎らになった車内でエンは小さく息を吐いた。
高校一年生のクリスマスに漸く両思いになれた彼女は今は隣に座りうつらうつらとしている。腿の上に置かれた左手にはパールピンクの携帯が握られ、それに繋がる小さな星が連なるストラップ。今日のデートで"お揃い"として購入した物だった。勿論自分の携帯にも色違いのソレが付けられていて、少しだけ口元が弛む。
がたんごとん。
待ち合わせをして、少しだけ離れた駅まで足を向け、(事前に必死で情報を集めた)雰囲気の良いお店で昼食を取って。街を歩き目についた店を覗くような穏やかなデートだったが、夕暮れと共に冷えた空気に触れ合った指先は自然と互いの手を取り合った。
隣り合って座る二人の間で繋がる自分の左手と彼女の右手の温かさがじんわりと伝わる幸せのようであった。
がたんごとん。
こてん。
肩に感じる僅かな重み。
そろそろ次の停車駅だとアナウンスが入り減速した電車の動きに合わせて、シロの小さな頭がエンの肩に乗っている。横目で見ると思っていた以上に近い位置にあって声にならない叫びを上げつつ顔が熱くなったが、シロは深く寝入っているのか静かに寝息を立てていた。
ホームに電車が滑り込み開いたドアから外気と共に人が出入りしている。
降車駅まであと5つ。
「(このままずっと乗っていたいなぁ)」
向かいの硝子に映るシロの姿を見詰めながら、エンは左手に少しだけ力を込めた。
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